人間への変質

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「僕って幸薄いなぁ~…」     幸薄いというか、今まで幸せなんてものに出逢った事が無い。   他人からしたら幸せだと思う事も僕からしたら幸せではなかったし。   では一体僕にとっての幸せの定義とはなんだろう。   大金持ちになる事?   いや、特にお金に困ってるわけじゃ無い。   それに物欲もそれほど無いから、大金持ちになった所でそれは僕の幸せでは無いだろう。   名声を得る事?   名声なんて得た所で、そんなものは鬱陶しいだけだ。   それは僕の幸せでは無い。   ではあらゆる権利を得る事はどうだろう?   僕は多分あらゆる権利を得ても、その権利を使う事は無いだろう。   それは僕の幸せでは無い。   じゃあ僕の幸せってなんなんだ?     「……あー…僕ってホントに中身の無い人間だなぁ…。」     僕は一人、自分の部屋でそんな下らない事を考えていた。
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