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いつも通りの診察。
医者のいつも通りの台詞。
看護師のいつも通りの作り笑顔。
僕の余命が3ヵ月になった所でこの病院の日常は変わらない。
診察が終わり、先生に挨拶をして僕は帰ろうとする。
「トシ君、キミ、生きる意志はあるかな?」
僕が診察室を出ようとした刹那、先生が僕に問うた。
「これは医者としてじゃなく、一人の人間としての意見だが…キミにはどうも生きたいという気持ちが無い。」
「…………。」
「そしてこれは医者としての意見だが…生きたいという意志をもっと強く持て。」
「………そうすれば、何か変わりますか?」
「変わる。その意志一つで全てが、世界そのものが変わる。」
「…………考えてみます。」
「キミが本当に生きたいと願うなら、先生は最善を尽くす。しかし先生は死にたい奴を救う程医者という職業に埋没してない。だから……生きたいと願ってくれ。」
「……ありがとうございます。」
キミを生かしたい、じゃなく、生きたいと願ってくれ、か。
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