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「お待たせしましたぁ~!」
悲美さんが持って来たのは、真っ黒なイカスミドリンクではなく、エメラルドグリーンの綺麗な色の液体にグラスに生オレンジが付いているお洒落なドリンクだった。
「『スカイドリーム』って言うんですっ!綺麗でしょ?えへへへ…私が名前考えたんですよ!」
悲美さんは子供のような笑顔で僕に言う。
僕には眩し過ぎる程の明るい笑顔で。
「美味しそうですね。頂きます。」
「どうぞどうぞっ!」
「…………。」
「…………。」
「……あの、そんなにじっくり見ないでもらえます?」
「あっ、ご、ごめんなさいっ!」
「いや、いんですけどね…美味しいですよ。スカイドリーム。」
僕がそう言った所で店の奥から人が出て来た。
褐色の日焼けした肌にスキンヘッド。
ただでさえ怖いその風貌を、真っ黒な、視線を読み取れないサングラスがとどめをさしてる。
ただ…派手な色のアロハシャツがその人をただのファンキーなおっさんに見せている。
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