179人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
テルさんはちょっとの間、僕の顔を眺めてから、また奥の方へ戻って行った。
それからしばらく、悲美さんと雑談して、僕は帰ろうとした。
「じゃあ悲美さん、僕そろそろ帰るよ。暗くなってきたし、店閉めるでしょ?いつまでもいたら迷惑だし。」
客は僕一人だからね。
……あれ?
っていうか僕、いつの間にか敬語じゃ無くなってる。
「あっ、ホントだ!暗くなってる!」
「じゃあそういうわけで、暇があったらまた来るよ。」
「あっ、トシさん!……あ、あの、何て言うかー…」
「………?」
「今日、夜、予定、あります?」
何故か悲美さんは、急にカタコトになった。
「今日ですか?いや、この後は特に何にも無いですけど。」
「ホントですか!?あのっ、じゃあ、あの、飲みに行きませんか!」
「飲みに?……はい、別にいいですけど。」
「ホントですか!?やった!じゃあまた後で会いましょっ!」
悲美さんはとびきり明るい笑顔で喜んでくれた。
僕なんかの気まぐれで、
明るい笑顔で喜んでくれた。
最初のコメントを投稿しよう!