想い

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「ところでトシ君ってさ、何してる人なの?」     「あれ?言って無かったっけ?……一応大学生だよ。」     まぁもう3ヵ月くらい行って無いけどね。     「どこの大学?」     「東京大学。」     「そーなんだぁー……えぇ!?東大!?トシ君頭いいの!?」     若干失礼な物言いだけどとりあえずスルーで。     「高校まではそこそこ頭良かったよ。東大なんてそこまで入るの難しい所じゃ無いさ。入っちゃえば全然勉強なんてしないしさ。」     「ほぇ~…」     悲美さんが呆けたような声を出す。     「何か自分が恥ずかしくなってきた…一緒に飲んでる相手が東大生だなんて…」     「何でですか?むしろ僕は自分が恥ずかしいよ。学生のクセに飲んでるなんて。僕は東大生なんかよりフリーターの方がよっぽど偉いと思うよ。」     これはけっこう本音。   大学生なんて、本分の勉強なんて全然しないで親の金で遊んでばっかりだ。   それからしたら自分の生活のタメにバイトしてるフリーターの方がよっぽど社会的地位が高いと思う。
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