179人が本棚に入れています
本棚に追加
ふむ。
ちょっと空気が重くなってしまった。
僕のせいなのか?
「トシ君さ、夢とか、ある?」
突然悲美さんが話題を変えて、僕に振ってきた。
「夢、か……。絶対叶いそうも無い夢ならいくつかあるよ。」
「聞いてもいい?」
「……そうだなー…とりあえず、一生懸命生きる……っていうのが夢かな。」
そこで刹那、悲美の顔が少しだけ悲しげな顔になる。
ほんの一瞬だったけど。
「それ、絶対叶わない夢じゃ無いじゃん。自分の気持ち次第でしょ?」
「自分の気持ちがコントロール出来ないから夢なのさ。」
「ふぅーん。なんていうか…トシ君のそういう所、私とちょっと似てるなー。」
「悲美さんと?全然似てないよ。僕はただやる気が無いだけだから。」
先生の言葉を思い出した。
キミには生きる意志が無い、と。
確かにそうなのかもな…。
今の僕には死んで後悔するものなど一つも無いからな…。
最初のコメントを投稿しよう!