179人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
「よしっ!そろそろ帰ろっかっ!」
3時間程歌って満足したのか、悲美さんから帰ろうときり出してきた。
ラスト1時間くらいは悲美さんしか歌って無いしね。
僕もカラオケは久しぶりだったから、ほんの少しテンションは上がったけど。
「そうだね。終電間に合うかな?……あれ?っていうか悲美さん、住んでる所は何処なの?」
「桜木町だよっ!」
じゃあ終電間に合わなくても最悪歩いて帰れるな。
「そっか。じゃあとりあえず出ようか。」
「あっ、ちょっと、待って!」
「…?」
何かまだ歌いたい曲でもあるのだろうか?
「あのね、トシ君。ちょっと聞いて欲しいんだけどね、私ね、初めてトシ君を見た時からね、……す…」
「ちょっと待って。」
「…え?」
その先に悲美さんが言おうとした事は予想出来た。
予想出来たから…
止めてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!