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桜木町の駅から5分くらいの所にあるでかいマンション。
その6階。705号。
僕は一瞬だけ躊躇してインターホンを押す。
ピンポーン
チャイムが鳴って中からパタパタと人が歩いてくる音が聞こえる。
そしてガチャンと鍵の開く音。
「はーい。」
「あっ、悲美さん、どうも。」
「…………。」
「…………。」
パタン。
ガチャン。
そして中でドタドタと音がする。
20分後。
ドアが開く。
「や、やぁ、トシ君、コンニチワ。」
悲美さんは息を切らしながら出てきた。
それもそうだろう。
最初に出てきた悲美さんは、おもいっきり素っぴんで部屋着で、今出てきた悲美さんは、化粧をしてちゃんと着替えもしている。
そして息を切らしてる所をみると、部屋を片付けたのだろう。
そんな部屋を片付けた悲美の行動を台無しにする台詞を僕は言う。
「悲美さん、今ちょっと外出れます?出掛けませんか?」
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