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「あっ、私よく考えたら男の人と観覧車乗るの初めてだ。」
「おっ、奇遇だね。僕も初めてだよ。っていうか観覧車に乗る事が初めてだけどね。」
「えぇ!?観覧車乗った事無いの!?」
「こういう場所には今まで縁が無かったからね。」
言いながら観覧車に乗り込む僕。
悲美さんはまだ若干戸惑いながらも僕に着いてくる。
「あっ、それと僕って高所恐怖症だし。」
嘘だけど。
「…高所恐怖症なら大事な話を高所でしないでよ…。」
……墓穴った。
「まぁ確かにそうだけど…完全に二人になれる場所って近場じゃこれしか思いつかなかったからさ。」
「ふぅーん。まぁ私はトシ君と観覧車に乗れるからそれはいいんだけどねっ!」
そう言って悲美さんはいつもの明るい無邪気な笑顔を見せてくれる。
やっぱり…
僕にこの笑顔は重い気がした。
でも僕の気持ちはここまで来たら変わらないけれど。
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