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僕の意を決した告白の後、悲美さん黙り込んでしまった。
黙り込んだというか…
少し考え込む仕草をしている。
そして急にパッと顔を上げて立ち上がり、今まで向かいあっていた僕の隣に来て座った。
「今のは告白って事でいいのかな?」
どうやらうまく伝わっていなかったみたいだ。
なので僕は改めて……
「えーと、…好きです。悲美さんの事が。好きです。」
2回も言ってしまった。
すると悲美さんは、えへへへ…と無邪気な笑顔で喜んでいる。
そして急に真面目な顔をしてこちらを向く。
そして目を瞑る。
僕も薄く目を瞑り、そっと、悲美さんのに口付ける。
「……今のが答えでいいんですかね?」
「…えへへへ……うん。よろしくね。」
そしてしばらく何も喋らない。
どちらも何も喋らない。
観覧車が丁度一番上に達した事を、観覧車の中に付いているスピーカーが知らせる。
そして、
もう一度、
どちらからともなく、
キスをする。
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