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「悲美さん?どうしたの?」
「んーん。なんでも無いよっ。海っ!夕日が反射して綺麗だね。」
一瞬だけ悲しそうな顔をした悲美さんな顔がすぐいつもの笑顔に戻る。
いつもの笑顔…
いつも笑顔だからこそ、たまに見せる違う表情には、違う空気を感じる。
「うん。綺麗だね。…ってこんなの湘南でいつも見てたでしょ?」
「トシ君と見るからいつもより綺麗に見えるのっ!どうしてそんな事分かんないかなっ。」
ちょっと怒る悲美さん。
うん。このくらいは可愛い。
「ごめんごめん。ちょっと言ってみただけだよ。」
「ふん。……じゃあ、キスしたら許してあげる。」
「…………。」
「…………。」
「…今の、言ってて恥ずかしくない?」
「…………。」
あっ、本当に怒っちゃった。
どうして僕はこうなるのがわかってて、言ってしまうのだろう。
うーん。
「冗談だよ、悲美さん。」
言いつつ、僕は悲美さんをちょっと強引に引き寄せる。
やっぱり、これが幸せっていうのかな。
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