幸せの真実(2)

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その日の夜(というよりも僕が目覚めた時点で夜だったけど)屋上に出て悲美さんに電話した。     プルルル…     プルルル…     プルルル…     …出ない。   どうしたんだろう?   もう寝たのかな?   それとも僕が3、4日音信不通だから怒ってるのかな?     くそ…とにかく早く病院を出たい…。     ………。     抜け出すか…。     とりあえず僕は病室に戻り、病院に来た時の服に着替えた。   そして荷物をまとめて病室を出る。   正面入り口は閉まってるだろうな…。   そう思い、裏口の方へまわる。   …それにしても夜の病院は薄気味悪いなぁ。   そんな事を思いながら裏口に近付いて行くと、うっすらと人影が見えた。   …人影……   その人影の正体は白衣を脱いだ、私服姿の先生だった。     「どこに行くのかな?トシ君。」     「先生…抜け目無いですね。……そこをどいて下さい。」     「医者としてキミの退院を許すわけにいかないと言ったハズだが?」     「僕は大事な人に会わなきゃいけないんです。」    
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