幸せの真実(2)

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病院を抜け出した僕は桜木町の悲美さんの家に来ていた。   呼鈴を押そうとする手が一瞬止まる。   悲美さんは電話をしても出なかった。   3、4日連絡無しを怒っているのだろうか?   だとしたら謝らないと。   もしかしたら寝てるだけかもしれない。   …寝てるとこにお邪魔するのは悪いなぁ…。   ていうか夜中だしな。   テルさんが出てきそうだ。   ……まぁいいか。     ピンポーン。     …………。     ガチャッ。     「あっ、どうもこんばんは、テルさん。」     やっぱりテルさんが出てきた。     「お、おうトシ君か。…手術成功したみたいだな。」     「…はい、ありがとうございます。…あの、悲美さ…」     そこで僕はある事に気付く。   僕はテルさんに病気の事は話したけど…   手術の事は話してない。   ましてや手術の日までなんて話してはいない。     何故テルさんは知ってる?     何か…     嫌な予感がした。     「…何故僕の手術の事を?……それより…悲美さんは?」     「………悲美は―――           ―――死んだよ。」
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