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「…………は?」
「今、悲美はキミの中だよ。」
な、……何を言ってるんだ?テルさんは。
まるで言ってる事が分からない。
悲美さんが…
死んだだって?
僕の中にいるだって?
なんて性質の悪い冗談だ。
「いや、あの、どこか行ったんですか?悲美さん。」
「……トシ君。受け入れがたいのは分かる。でもこれが現実だ。悲美は脳の疾患で死んだよ。」
「な、何で!何であなたはそんなに淡々とそんな事が言える!そんな性質の悪い冗談、親でも許さない!」
僕はテルさんに掴みかかる。
まるで駄々をこねる子供のように。
「そんな事信じられるか!悲美さんは4日前まで僕の前で笑ってた!」
そこまで言ったとこで僕はテルさんに突飛ばされる。
「トシ君。……現実を、受け入れろ。」
「………くそっ……なんなんだよ。」
僕はその場に崩れる。
「…テルさん、僕の中にいる、っていうのは?」
テルさんは…
一瞬間を置いて言う。
「今のキミの心臓は………悲美のだよ。」
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