5人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「昨日どうだったの?」
コウイチが興味ありげな目でシンに聞いた。
「昨日?泊まりに行ったよ。オイオイお前ら俺を誰だと思ってんの。そのまま学校来てんだから疲れてんの。」
今 得意気に話をしてるのが一番の親友シン。
高い身長と目鼻立ちのはっきりした顔立ち、横浜育ちの頼れる兄貴みたいな存在。
恋愛中毒者。
誰かを好きになるっていうより恋愛してる自分を楽しんでいる。
「間違いだらけだって。どうせ、自分が考えたデートが上手くいったからって自己満足だろ?いつか刺されるから」
声を出して笑いながらツッコんでんのがカツヤ。
ノリが良くて外見に似合わず結構みんなの事を考えたりしてるイイヤツ。今は歳上の彼女と同棲してみんなにヒモってからかわれてる。
「バカ。刺されんのは詠人に決まってんじゃん。こいつなんて女の方から誘ってんのに何もしないで朝叩かれて帰ってくんだぜ。次辺り刺されるって」
みんないっせいに爆笑してる。
今、詠人と言われたのが僕の名前。
呑んでて知り合った子に眠いなら家近いから泊まりに来なよと言われついて行って何もせず速攻で寝たら、次の日の目覚めは強烈なビンタ。
似たような事が度々あったので最低と言われてる。
「でも良いよなぁ~。俺何てなんもないよ。」
カズキが拗ねたように言う。みんなのマスコット的な存在。
「そういや詠人。この前近所の居酒屋でバイトしてる子が家に押し掛けて来たって言ってた話どうなったのよ。」
コウイチが話をこっちにふった。
コウイチは仲間で一番まっとうな生活を送ってる。彼女とは高1からずっと続いているらしい。
最初のコメントを投稿しよう!