01 高校

13/13
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
人は、悪いことをすると目をそらしてしまうらしい。 何も悪いことなんて、してないのに。 なのに、川崎の目が見れない。 なにも、…してないのに。 「話したくない?」 『別に、なにもないって』 「誰に送ろうとしたの、って聞いてるんだけど」 『それはあんたに関係ない』 「…」 ふう、と溜め息を吐いて、川崎は立ち上がる。 「まぁ、俺なんかに言いたくねぇ気持ち分かるよ。 無理言ってごめんな、帰るよ」 そう言って川崎は、部屋を出て行った。 『ま、待って…』 階段を降りようとしていた彼を、止める。 『終電、ないんでしょ?』 川崎は 「大丈夫、散歩だと思って歩いて帰るし。じゃあな」 川崎は、 いつも笑っている。  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!