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人は、悪いことをすると目をそらしてしまうらしい。
何も悪いことなんて、してないのに。
なのに、川崎の目が見れない。
なにも、…してないのに。
「話したくない?」
『別に、なにもないって』
「誰に送ろうとしたの、って聞いてるんだけど」
『それはあんたに関係ない』
「…」
ふう、と溜め息を吐いて、川崎は立ち上がる。
「まぁ、俺なんかに言いたくねぇ気持ち分かるよ。
無理言ってごめんな、帰るよ」
そう言って川崎は、部屋を出て行った。
『ま、待って…』
階段を降りようとしていた彼を、止める。
『終電、ないんでしょ?』
川崎は
「大丈夫、散歩だと思って歩いて帰るし。じゃあな」
川崎は、
いつも笑っている。
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