01 高校

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『うん、で、何か用かな』 「いや別に!ただなんとなく話かけただけ」 へら~と笑う笑顔は、どことなく猫のようだ。 前髪は長くて、さらさらしている。 夏の風に、よくなびく。 『用、ないなら…行くね』 「待ってよー、アドレスくらい!」 分かった。 こいつはいわゆるチャラ男だ。 見た目はスラッとしてて清楚っぽいけど、中身はとんでもない奴なんだろう。 『悪いけど、アドレスとかいちいち覚えてないし』 そう言うと川崎は驚く早さで私の携帯を奪った。 『は?ちょ、…』 「お!ドコモじゃん」 これなら、と川崎は携帯をいじり始めた。  
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