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『うん、で、何か用かな』
「いや別に!ただなんとなく話かけただけ」
へら~と笑う笑顔は、どことなく猫のようだ。
前髪は長くて、さらさらしている。
夏の風に、よくなびく。
『用、ないなら…行くね』
「待ってよー、アドレスくらい!」
分かった。
こいつはいわゆるチャラ男だ。
見た目はスラッとしてて清楚っぽいけど、中身はとんでもない奴なんだろう。
『悪いけど、アドレスとかいちいち覚えてないし』
そう言うと川崎は驚く早さで私の携帯を奪った。
『は?ちょ、…』
「お!ドコモじゃん」
これなら、と川崎は携帯をいじり始めた。
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