コヨイノセキニマツメ

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「貴方の傍に いてはいけませぬか?」 濃厚な白さの 雪が降り積もる この季節になる度 貴方を思い出します あの日 あの時 すれ違った香りを 今でも鮮明に覚えていて だけど 貴方は 振り向いてはくれない いつも隣に居るのは 私じゃないから‥ 最後にこの文(ふみ)を 貴方に‥ 一晩中想い悩んで 綴った言葉 震えた手で 一文字 一文字と 今から貴方に 渡しに行きたい。 渡しに行けない。 空を見上げれば脳裏に浮かぶ 「どうすれば貴方を 忘れる事が出来るのですか?」 想い想いの文を 渡す事が出来ぬまま 私は雪となり散る…
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