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「なるほどくぅん!!」
バシッ。
背中を強打する平手と同時に成歩堂は苦痛の表情を浮かべた。
多少の涙を流しながらも彼は真宵の方を振り向くと、彼女は腰に手を当て仁王立ちで笑っていた。
「どうせお姉ちゃんのこと考えてたんでしょ……」
「な、何でわかったの!? 真宵ちゃん」
「ふふん。私をなめちゃだめだよ」
未だ驚愕の表情を浮かべている彼に対して続けて真宵。
「なるほどくんの顔……」
「……え?」
「見れば分かるの!!」
バシッ。
二度目の平手打ち。今度は彼の胸にだった。
「まったくもう。気にしちゃ駄目だって」
「ごめん……そうだね」
「わかったら食べるの」
二人はお互いの顔を見ると笑いあった。
その表情にはもう疲労の色は無く、あるのは笑いだけであった。
そして、成歩堂が食べ終わった頃には――。
「真宵ちゃん、それ以上は……」
すでに十杯以上を完食していた後だった。
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