12人が本棚に入れています
本棚に追加
「いただきまーす♪」
大声で合唱をすると『待っていました』という必要のないくらいの勢いで真宵は≪やたぶきやこだわりのちぢれ麺≫を口の中にズルズルと運んでいく。
かたや、多少うなだれながら成歩堂も麺を口の中に運ぶ。
「お、おじさん、お姉ちゃんと来てた時より美味しくなってるねー♪」
「さすが、わかったみたいだな……毎日のあくなき探求の結果
が出たんだ!」
(千尋さんか……)
彼女らが味噌ラーメン談義をしている時に成歩堂はふと過去を振り返っていた。
彼の師である綾里千尋。
殺人事件の被害者になり殺害されてしまった事務所の前所長であり、真宵の姉でもある。
千尋が事務所を構えた頃から妹の真宵と共にこの店に来ていたことは成歩堂も何度か聞かされて分かってはいたが、二人の会話を聞いて更に実感したようでもあった。
最初のコメントを投稿しよう!