逆転の味噌ラーメン

6/6
前へ
/6ページ
次へ
「なるほどくぅん!!」                                 バシッ。                       背中を強打する平手と同時に成歩堂は苦痛の表情を浮かべた。             多少の涙を流しながらも彼は真宵の方を振り向くと、彼女は腰に手を当て仁王立ちで笑っていた。                       「どうせお姉ちゃんのこと考えてたんでしょ……」             「な、何でわかったの!? 真宵ちゃん」             「ふふん。私をなめちゃだめだよ」                        未だ驚愕の表情を浮かべている彼に対して続けて真宵。                       「なるほどくんの顔……」             「……え?」             「見れば分かるの!!」                       バシッ。                       二度目の平手打ち。今度は彼の胸にだった。                       「まったくもう。気にしちゃ駄目だって」             「ごめん……そうだね」             「わかったら食べるの」                                           二人はお互いの顔を見ると笑いあった。             その表情にはもう疲労の色は無く、あるのは笑いだけであった。             そして、成歩堂が食べ終わった頃には――。                                                     「真宵ちゃん、それ以上は……」              すでに十杯以上を完食していた後だった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加