謎の世界

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「う、う~ん………」 水魔はまばたきを数回すると立ち上がり辺りを見回した。体にはまだ微かに痺れが残っていた。 「ここはどこだ?」 今いる場所は先ほどの晴れ晴れした空ではなく、黒ずんだ紫に染まり、植物は枯れはてていた。 明らかにさっきまで自分がいた世界とは違う世界だ。 ふと隣を見ると、神が寝ていた。 「おい、起きろ神」 「あ~だめだってそんなとこさわっちゃ…」 「また変な夢見てんなこいつ…」 「ふざけてねぇでさっさと起きろ神!」 「あ~愛してるよさゆり~~!」 「誰だよ…」 「おい!いい加減にしねぇと……」 「さゆり~~~!!」 神の頭に水魔のこぶしがHITした。 「いってーな!今いいとこだったのに邪魔すんなよ!」 「エロい夢ばっかみてんじゃねーよ馬鹿!」 「いいーだろ別に!」 「そんなことより周りをよく見ろ!」 「え?周り?見たところでなんにも変わらな……あれ?ここどこ?」 「さっきの気絶が原因だと思うんだがな」 「じゃあ夢なんじゃねーの?」 「おまえさっき夢見てたろ!」 「あ、そうだったな。ハハハハハハ!」 (ガサ) 「ん?」 不意に水魔が辺りを見回す。 「どうした水魔?」 「今何か物音がしたような気がする…」 「鼠じゃねーの?」 「いや、殺気を感じる」 「人か?」 「わからない。だが油断は出来ないな」 二人は先頭体勢に入った。水魔は飛沫を構え、神は手足に風を集中させた。 その時!枯れた茂みから一匹の巨大な猿が飛び出してきた! 「な、なんだこいつ!?」 神が驚くのも無理はない。猿といってもテレビで見るよーな猿ではない。 腕や足は丸太のように太く、目は赤く瞳孔は開いていた。おまけにかなりのでかさだ。 「やるしかねぇみたいだな水魔…!」 「ああ。話が分かる相手じゃなさそうだしな」 話が決まった二人は猿目がけて走りだした。
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