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 麻理に彼氏がいたのはほんの1ヶ月程の期間だったが、恋愛に関しては全くの初心者の麻理にとってはとても新鮮だった。 ――1年前の夏休みのこと  麻理は他校に通う友達のエミコと少し派手な通りを歩いていた。  夏休みということもあり、人がたくさんいる。あまり慣れていない麻理には派手な格好をした人が皆"ギャル"や"不良"に見えていた。 ビクビクしながら歩く麻理をよそに、エミコはそんなことは全く気にしていない。 「ねぇ麻理!あの人たちめっちゃカッコいい!!」  エミコはいきなりそう言うと麻理の手をとって走りだした。 「……えっ!ちょっ、エミちゃん!?」  麻理が止めようとするより先に、エミコが突然止まった。   「もう、どうしたの、いきなり……!?」    引っ張られていた手を離してエミコに文句を言おうと前を見ると、高校生くらいだろうか、4人の男が少し驚いた顔をしてこちらを見ていた。
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