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ある日の授業中。
麻理は考えた。
やっぱ…好き…なのかな…?
しのといっぱい喋りたいけど、恥ずかしくてうまく喋れないよ…。
しのはあたしのことなんとも思ってないのかなぁ?
散々考えて、
やっぱり好きだ!!
と結果を出した頃には授業も終わろうとしていた。
「はい、じゃ終わり!気を付け、礼」
…なーんも聞いてなかった!
あとでサナにノート見せてもらわなきゃ…。
すると隣からスッとノートが現れた。
「え?」
「俺、字とか汚いけど、ないよりマシだろ?今、望月ずっとボーっとしてたから」
「あ、あ、あ…りがとう!!」
「なに動揺してんの」
「い、いきなりだったから、びっくりしたんだよ」
おかしそうに笑う卓の横で、麻理は顔を赤くして下を向いた。
「どした?顔赤いけど…。気持ち悪いなら無理すんなよ」
そう言うと、卓は友達に呼ばれて教室を出て行った。
麻理は、好きだと気付いた瞬間に随分と情けなくなった自分にため息をついて、机に突っ伏した。
「へぇー、麻理はしのが好きなんだ?」
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