†音†

†雨トンネル†

『どうしたんだよ!!いきなり』隆史が聞いた。

『お前ら、何も気がつかなかったのかよ……』

幸一の顔は真っ青だった。

『俺たちのいた状況をよく考えてみろ!!俺たちはトンネルの中にいたんだぜ』

その言葉で俺は気づいた。

そう、俺たちはトンネルの中にいたのだ。それなのに、雨が車に当たるなんて……。

俺は急いで車から降りた。

車のボンネットには、無数の手形がついていた……。

(完)