4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「久々だな。あれからしばらく経ったが、元気だったかい?」
「私は見ての通りだ。そして妻や娘も同じくな。」
私は今日、昔の仲間の1人を家に招待した。それはあることについて、話を聞きたかったからだ。
今、それほど小さくも、大きくもない円形のテーブルに、私と彼が向かいあって、左に妻が、右に娘が四方に座っている。
私は先日まで、ヴァルクナイトレイバーという名の艦長を勤めていた。そして、このテーブルにいる他の3人も、乗組員だった。
こんな話はなんだが、私はあの艦で最愛の妻に出会い、恋をした。艦長という身分からすればとんでもないことかもしれないがな。
「さて、挨拶はそこまでにして、本題に入ろうか。」
「そうだな、俺がずっと気にかけていた、君達の元いた世界の話が聞きたい。今までは時間がなかったからな。」
「そうだな。じゃあ…まずは何から話せば良いだろうか………」
そして、今日私が呼んだ彼…クロノス・レオンハートは、元々こちらの世界の出身ではない。私の妻と共に、別の世界から来た者だ。
私はずっと、気になっていた。彼は常に過去の悩みを抱えていたからだ。自分はどれだけ犠牲にしてもかまわない、そう彼は言っていた………
「あれは雪の降る寒い日だった…」
最初のコメントを投稿しよう!