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その言葉を聞いて春菜も泣いていた。
「―っごめん!!ごめんね菜都!!」
なにも言わない菜都。
「あのね…私もうすぐで失明しちゃうんだって。」
少しうつむいて笑う春菜。
目の前の菜都が驚いたように顔をあげる。
その菜都にしっかりと目を当てて、記憶に焼き付ける春菜。
「そしたら菜都のばかな顔、みれなくなっちゃうね…。」
わざとの明るい声が響く。
「毎日の楽しみだったんだょー。」
「ばか春菜。」
ぼたぼたと涙でスカートに染みをつくっていく菜都。
「…重かったら、いいんだょ??」
急に視線を落とす。
「菜都はやりたいことやっていいんだょ。私、大丈夫だから。」
涼にもこう思ってる。
だから涼にも一番幸せな道を歩んでもらいたい。
「ごめんね菜都。」
カーテンの揺れる音しかしない。
春菜は静かに目をとじた。
「…あんたがいなかったら私、どうすればいいのよ。目がみえないのがなに??春菜は春菜じゃない!!」
一気に言って息をはく。
そしていつものように笑ってくれた。
「私はずっとあんたの親友なんだから、隠しごとはなし!!わかった??」
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