゚*.出会い.*゚

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「うっ…ふっ…ふぇえん…」 あたしは地面に座り込み泣いてた。 お母さんのおつかいを済ませて家に帰ろうとしたら道がわからなくなった。 「お家に帰りたいよお……」 タッタタタタ… 後ろから誰かの足音が聞こえる。 すると、あたしの前でその人は立ち、こう言った。 「おじさんに着いておいで」 そう言うと、知らないおじさんはあたしの手を掴み歩き始めた。 あたしは家に帰れる気持ちでいっぱいだった。 おじさんは公園の前で立ち 「おじさんね、面白い遊び知ってるんだよ。着いておいで」 あたしはハッとした… お母さんが知らない人に着いていっちゃダメだって… あたしは 「嫌だ…手…離して…!!!」 大声で言った。 「その子の手を離して。」 後ろから男の子声がした。 あたしと年は変わりなさそうな幼い男の子。 その男の子はあたしの手を掴み、全速力で走り出した。 おじさんからはどんどん離れてく。 男の子はあたしの手をギュウと握りしめ、口をひらいた。 「名前は?」 「あたしは花菜…山本花菜…。さっきはありがとう…」 「ううん。困った人を助けるのは普通だよ!!僕は槙斗。花菜ちゃんは迷子?」 「う、うん…」 槙斗は優しく微笑み 「僕の家においでよ!電話かすよ!!」 そして槙斗に引っ張られながら槙斗の家に向かった。 ガチャ… 「お、おじゃまします…!!」 奥から槙斗のお母さんらしき人… 「花菜ちゃん!!!!」 「おばさん!!!」 槙斗のお母さんはあたしのお母さんのお友達だった。 そしてあたしは無事、家に送り届けられたのだった。 それから槙斗とは会う事はなかった。 それから10年… 花菜も高校1年生に無事進学し、高校生活をスタートしようとしていた。 まさか、槙斗に再会するなんて… 夢にも思わなかった。
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