出会い

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「ピピピピッ」 頭のほうから鳴る目覚まし時計。 「ピピッ…」 寝ぐせで髪の毛がボサボサになった少年が目を覚ました。彼の名前は桐山昌平、13歳の中学一年生。 彼は親の都合で小学生の時から転校を繰り返している。今回も前の中学校を転校し、昨夜引っ越しが終わった所である。 「はぁ…今日からまた違う学校か…」 朝食を食べながら昌平はそぅつぶやいた。 「今日は転校初日なんだから遅れちゃダメよ!」 台所で洗い物をしている母親が昌平に言った。 「はいはい…第一印象は大事なんだろ。」 もう何度も聞いている、昌平は転校のたびにこの一言を言われているのだから。 もう何回転校しただろうか?十回を超えるとそれを考えることもどうでもよくなってしまう。 最初の転校は小学校一年生。幼稚園の時からの友達と離れることになって泣いたりもした。 しかし転校先の学校でも、昌平と気が合う子ばかりで友達はすぐにできた。 けれどそれから3ヶ月でまた転校…昌平はその話を聞いて家を飛び出した。友達と離れるのが嫌だったのだ… 父親に家に連れ戻されしぶしぶ転校を了承した昌平。そしてこの転校を境に昌平は変わっていった。
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