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「うわぁ~!! ゴメンナサイ! 5分遅刻!」
朝7時。大慌てで内科病棟のナースステーションに飛び込んだ潤は、そこにいた先輩ナースで、夕べの夜勤だった今井に両手を合わせ、ごめんと謝った。
今井はそんな潤を怒ることもなく「早番なのに、夜更かししてたんでしょ?」と、苦笑いしてくれた。
確かに夜更かししてしまった。DVDを見始めたら先が気になって、結局深夜1時になり、帰るつもりだったのに部屋の鍵が見つからず、また大澤の部屋に泊まってしまった。
朝になって大澤のアパートが潤のアパートと、歩いて5分ほどしか離れていないことを知った。
潤は普段、職場まで自転車通勤だが、その自転車の鍵は部屋の中で、歩いて向かうには、時間がなかった。
それくらいギリギリまで寝てしまったからだ。
遅刻だぁ、と焦っていると、のそりと起きた大澤が「車で送ってやる」と、優しいことを言ってくれたのだ。
おかげでこの程度の遅刻で済んだ。
「お礼に今夜の夕飯は、おれの手料理ご馳走しますね」なんて約束してしまった。
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