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ジリリリン、ジリリリン、目覚まし時計がうるさくなり、聖輝はその音で目覚めた。
高校を卒業して、進路は決まってない、進学もしていない、いわゆるプー太郎だ。ゆっくり寝てたらいいのにうっかり解除しておくのを忘れてたみたい。
トン、トン。
『聖輝起きたのー?起きてるなら早くご飯食べて仕事見つけてきなさい。』そう言って母は立ち去った。
聖輝の父は聖輝が生まれてすぐに死んでしまったらしい。だから今は母と二人で暮らしている。
眠そうに聖輝はテレビをつけた。
『わっ、すげー。誰がこんなひでぇ事したんだ。』
テレビの映像を見て驚く聖輝。なぜならこの町の観光でも有名な北の神社が粉々に吹き飛ばされていたからだ。『悪い事が起きなきゃいいけど…』
不安そうな聖輝の思いはすぐに裏切られた。
その言葉を言い切る前に南西の方角からとてつもない轟音が鳴り響いた。
『うわあぁぁぁ、な、何だ。』
窓を開け轟音が鳴った方角をみると煙が立ち込めている。
『あ、あの辺りは南西の神様が奉られてる神社があるところだ…』
またしても神社…しかも爆弾でも落ちたのかと思わせるこの衝撃。
ただ事じゃない。聖輝は家を出て南西の神社に向かって走りだした。
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