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敏晴と言う名の男性は、九の言葉を聞き「間違っては……いないな」と頬を緩ませ楽しそうに笑った。
「ああ、鶴八七君。紹介しよう。ミー様の旧友でライバルでもある東の名探偵の敏晴だ」
九の紹介で、気さくな笑みを絶やさぬまま敏晴は握手を求めるように右手を差し出す。
「初めまして。なるほどね、君が鶴八七君か……紅の助手だってな。話は聞いているよ」
「え?はい、初めまして。九先生の友達ってことは、敏晴さんも探偵なんですか?東とか北とか言ってましたけど……」
その手を握り返しながら、俺は問い掛ける。
すると、九と敏晴は同時に顔を見合わせ、フッと軽く笑いながら頷く。
「ミー様たちは、大学時代のミステリー研究サークルの仲間なんだ。日本各地にばらばらになってしまったが……あと南の名探偵と称される【赤松夢路】(アカマツユメジ)と、西の名探偵の【柳柳】(ヤナギリュウ)がいる。四人揃って“Gray・Brain・Quartet”なんて呼ばれていたな」
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