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珍しく九十九は、ノーネクタイでラフな格好をしていた。
その隣には、見たことのない女性が立っている。
あれ、誰だろう?まさか……まさか九十九の恋人か!!?
腰元まで流れる漆黒のストレートヘアーをなびかせ、黒と白のコントラストが艶やかな牡丹柄の着物を身に纏っている。
黒眼が人形のようにぱっちりと大きく、キリッと整った高い鼻に柔らかそうな朱の唇。
すらりと長身のスレンダーで大和撫子な雰囲気を漂わせた、あどけなさの残る幼い顔立ちをした女性だった。
「ん?何だ鶴??……ああ、風如(フユキ)が気になるのか?」
俺の視線に気付き、にやにやと意地が悪そうな笑みを浮かべたまま九十九は、風如という名の女性を自分の胸元へと引き寄せた。
「こいつはな――レッドで言うところの、俺の大事なハニーだ」
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