FILE.0【デスウイルス殺人事件2】

3/37
前へ
/54ページ
次へ
 ため息交じりに呆れ顔で背後を振り返る。 「喜三汰……。お前って、どこにいても喜三汰だよなぁ」 「は?何言ってんだよ?ヤッヒーだって、どこにいてもヤッヒーじゃんか!!」  喜三汰は、やけに上機嫌らしく「夏の日差しにどこかやられちゃったのか?」と大声で笑いつつ、バシバシと俺の背中を平手で叩いてくる。 「痛っ!!ちょ、いいかげんにしろって……ん?そっちにいるの誰だ?知り合いか??」  喜三汰の背後に、こそっと隠れるようにして二つの瞳がこちらをじーっと見つめている。  俺の視線に気がつくと、慌ててさっと姿を隠した。 「ああ。こいつ、俺の中学時代のミス研の友達で玉(タマ)って言うんだ。ミステリーマニアで気の良いやつだけど……異常なまでの人見知り体質でさ~。何回か会話しなきゃ、まともに顔も出さないんだぜ」
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1221人が本棚に入れています
本棚に追加