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ため息交じりに呆れ顔で背後を振り返る。
「喜三汰……。お前って、どこにいても喜三汰だよなぁ」
「は?何言ってんだよ?ヤッヒーだって、どこにいてもヤッヒーじゃんか!!」
喜三汰は、やけに上機嫌らしく「夏の日差しにどこかやられちゃったのか?」と大声で笑いつつ、バシバシと俺の背中を平手で叩いてくる。
「痛っ!!ちょ、いいかげんにしろって……ん?そっちにいるの誰だ?知り合いか??」
喜三汰の背後に、こそっと隠れるようにして二つの瞳がこちらをじーっと見つめている。
俺の視線に気がつくと、慌ててさっと姿を隠した。
「ああ。こいつ、俺の中学時代のミス研の友達で玉(タマ)って言うんだ。ミステリーマニアで気の良いやつだけど……異常なまでの人見知り体質でさ~。何回か会話しなきゃ、まともに顔も出さないんだぜ」
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