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パチッと完全に眼が覚め、食い入るように再び画面上に視線を走らせる。
「しょ……賞金、一千万!!!?」
思わず、口から出た声が裏返った。
一千万円もあれば、欲しいと思っていたDVDもバイクも買える。
家のローンも支払えるだろうし、楽に大学も通える。
何より九のバイトの手伝いをしなくていい。
俺は、拳を握り締め決意を新たに叫ぶ。
「よしっ!!一千万をゲットしに鬼喰島に行くぞぉ!!!」
静寂に包まれた薄暗い古寺の一室で、その声は響き渡り外にいる野良犬が、返事をするように吠えまくった。
浮かれていた俺は、気付いていなかった。
この幸運だと思われた一通のメールが、悪魔から届いた死を招くメールだということを――。
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