FILE.0【デスウイルス殺人事件1】

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 空との境目が分からないほど鮮やかで美しい群青色の世界。  綿毛のようなふわふわの入道雲と同色のかもめの群れが、その青の中に自然に溶け込んでいく。  照りつける灼熱の陽光に眼を薄らと細めながら、俺はデッキの柱に背を預け海を見つめていた。  思わず、あの歌を口ずさみたくなるな……。 【海はぁ~広いなー大きいにゃー】  そうそう、海といえばこの歌だよな……ってあれ?この声どっかで聞き覚えが――?? 【空も青いしー雲も青いし~死体の顔も青いーー】  若干オリジナルな不吉な歌詞で歌っている少女に、俺は視線を走らせた。  シックな黒のワンピースに、お団子頭の二段重ね。  くりっと栗鼠(リス)のような大きく丸い瞳が印象的な可愛い部類に入る顔立ち。 「ち、ちひろ!!?どうしてここに?」  イトコである小鳥遊ちひろ(タカナシチヒロ)は、俺を見るなりにこっと微笑んだ。
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