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そのままデッキの側まで駆け寄ってくる。
「あ、八七だ!!久しぶり~。うち、これから鬼喰島に行くの。八七もでしょ?喜三汰君も一緒??」
「ああ、喜三汰もいる。向こうの船室で芸能人を見たって騒いでたな。それにしても、お前の所にも届いたのか……IDPの招待状が。だがなミステリーマニアである、ちひろでも推理ゲームで俺には――」
話の途中だというのに、いつのまにかちひろは、俺の眼前からいなくなっていた。
船室の方で喜三汰と何やら楽しげに会話している。
いつのまに……?
俺は呆れて軽くため息をつき、仕方なく後を追い船室に向かおうとした――その時だった。
「そこの僕……お姉さんと、ちょっとだけ話さない?」
いきなり背後から、背筋にぞくりとくる艶めいた声が聞こえ、足を止め慌てて振り返る。
そこには、波のようにウェーブかがった桃色の髪。胸元が開け谷間が見えるセクシーなインナーと、色白のすらりと細い太ももが丸見えのミニタイトスカートを纏った妖艶な美女がいた。
「え、あ、あの……俺に何か?」
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