FILE.0【デスウイルス殺人事件1】

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 カーッと耳の先まで真っ赤にしながら俺は、眼のやり場に困り宙に視線を彷徨わせる。  しかし、その美女はさらに俺の顔前に自分の顔を、ずいっと近づかせると  チュッ――。 「大丈夫……そんなに怯えなくても、何もしないわよ?」  にこっと上品な笑みを浮かべた。  言ってることと、やってることが全く違うっ!!  俺は、一瞬何が起きたのか分からず頭の中が真っ白になり、金魚のように口をパクパクと開閉させながら、美女の唇が触れた右頬を押さえた。  遊ばれているのは、一目瞭然だった。 「え、あ……お、俺……鶴八七(ツルヤヒチ)と言います」  会話が成り立たないほど、俺は完全にパニックに陥っていた。  な、な、何で……いきなりキスされたんだ?  美女は、そんな俺を見つめたままクスクスと口に手を当て笑い 「私は、水嶋幸子(ミズシマサチコ)よ。若い探偵の坊や……北の探偵様によろしくお伝えしてね。また鬼喰島で会いましょう」
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