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コツコツとハイヒールの音をデッキ中に響かせながら、風のように去って行った。
何だったのだろう……今の人。北の探偵って――誰のことだ??
俺は、いまだに火照ったままの頬に手を当てながら、呆然とその場に立ち尽くしていた。
すると
「ヘイ。鶴八七君……あいかわらず、ユーは老若男女を問わずモテモテだな。ミー様も今月の【Constellation'Fortunetelling】でLove運は絶好調のはずなのに、ユーには敵わない」
ふぅっと、明らかに残念そうではないため息をつきながら現れたのは、俺のよく知っている人物だった。
「九先生……」
Constellation'Fortunetelling
【星座占い】
ロマンチストな九は、星座占いを毎日欠かさずテレビでチェックしている。
本日の服装は、襟元がV字に大きく開いたライトブルーのサマーニットに、ゼブラ模様のジーンズ。
黄金色に輝く髑髏のブレスレットとネックレスを身につけ、髪は頭の高い位置にポニーテールのように結い上げていた。
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