育ててくれた人

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ガチャッ。 祖母「ただいま~。あら?宏が来てるのかしら?」 祖母が玄関に置いてある宏の靴を見て言った。 そして居間に来て宏の顔を見て微笑んだ。 祖母「また大きくなったねぇ。」 宏「…そうかな?」 祖母が買い物の荷物を整理し終えたところで宏は話し出した。 宏「おじいちゃん、おばあちゃん。ちょっと座って俺の話を聞いてください。」 いきなり言われた祖母と祖父だったが、黙って座った。 宏「俺は今日までほんとにお世話になりました。ありがとうございます。」 宏は深々頭を下げた。 そんな宏を見て…。 祖父「いきなりどうしたんだ?そんなにかしこまって…。」 祖母「そうですよ。何かあったの?」 二人は心配そうに聞く。 そんな二人に宏は言った。 宏「俺は過喰病と言う病気にかかったらしいんです。」 告げられた病名にキョトンとしている二人。 祖父「なんだ?その病気は?」 宏「簡単に言うと俺は後十日しか生きられない。そしてそれは防ぐことができないんです…。」 自分で言いながら悲しくなってきた。 祖父と祖母は驚いて固まっていたが……。 祖父「嘘だ!!そんなの嘘だ!!」 祖父が声を大きくして言う。 祖母はもう言葉にできないくらい泣いていた……。  
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