夏の始まり

8/12
前へ
/158ページ
次へ
「………どうしたんだ?こんな時間に……」 俺は一応声を掛けたが、こうして近場でいると異様な感じがしてならない。 「……一応確認するけど、あなた私達のことが見えてるの?」 二人のうち一人が、俺に言ってきた。 というか、何を訳の分からないことを言ってるんだ!? 見えてなきゃ話し掛けないだろ!? 「お前……俺をからかってないか?」 なんか聞いていると、侮辱されている気がしてならない。 「やっぱり、見えてるんだよお姉ちゃん」 「そうみたいね。まさかこんなことが有り得るなんて……」 俺の言ったことを聞くなり、二人で話し始めた。 俺が呼び掛ける声を完全に無視して…… 「おい!!お前等聞いてるのか!!」 イライラしてきたので、俺は二人の肩を掴もうとした。 だが、俺の手は二人の身体をすり抜けた。 どうなってるんだ?これ? 何度掴もうとしても、何度もすり抜けた。 「何をどうやっても無駄よ。私達は人間じゃないんだから……」 俺に話し掛けた方の子が言ってきた。 人間じゃない?じゃあ一体なんなんだ? 「お前等、一体……」 全く解らない……何なんだこいつら……
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加