夏の始まり

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「ところで、何で今もこんな形でここにいるんだ?」 こんな言い方は少し失礼だが、何故こいつらはここにいるのか、よく解らなかった。 「あなたがそれを知って、一体何になるの?」 「それは……」 二人のうちの姉の問いに、答えが出ない。 「お姉ちゃん、何もそんな言い方しなくても。もしかしたら協力してくれるかもしれないんだし。」 妹の方が言ってきた。 「そんなことあるわけないでしょ!!どうせこいつも……」 何を言ってるのか、さっぱり解らないけど、俺は初対面の奴にここまで言われたのは初めてだ。 「……何がなんだか分からないけど、もう少し言い方ってものがあるだろ。」 年上だろうが、ものの言い方ってものがあるだろ。 「じゃああなたは、私達に協力してくれるの?」 少しムキになって、姉が言ってきた。 協力といわれても、何をどうしていいのか分からない 「……内容によるかな。」 正直なところ、こんなことになるとは俺自身思いもしなかった。 「……それであなたが私達のことを信じるなら……」 姉はまだ俺のことを警戒しているみたいだ。 そして、彼女はゆっくりと口を開いた。
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