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~早朝~
朝から事件現場へと狩り出された私は、眠気を堪えながら車を運転していた。
ことの始まりは先輩からの電話だった。
「はい、もしもし……」
電話がかかってきたのは早朝四時。
まだ太陽も昇ってない時間帯なので、私は当然寝ていた。
「おはようございます七瀬君。こんな朝早くにすいませんね。」
「先輩……どうしたんですか……?」
先輩から電話がかかってきた時点で良い知らせでないことは分かっていた。
「事件ですよ。白霊山の登山口で惨殺死体が発見されたんですよ。」
場所を聞いた途端、私は一気に目が覚めた。
「え……?それじゃ今年も……」
「ええそうです。起きたんですよ。」
先輩の話に私は驚いた。
「詳しい話は現地で行ないます。では…」
そう言うと、先輩は電話をきった。
今年も……一年前から何も状況は変わってなどはいなかった……
今はとにかく現場に向かおう。
私は急いで着替えて車に乗り込んだ。
そして今に至る。
私は車のラジオを聞きながら現場に急いでいた。
どうやらまだこのことはニュースでは流れていないらしい。
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