交差

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私はその部屋の扉を軽く二、三回叩いた。 「はい……開いてるよ」 相手は、私達が警察だということを完全に知らないから、タメ口で答えていた。 「失礼します……」 私は、ゆっくりと扉を開け、中に入った。 中にいた大学生は、私達の方を見て、かなり驚いていた。 「な……何ですか!!あなた達は!? 」 「私達はこういう者です」 先輩は胸ポケットから警察手帳を取り出し、相手に見せた。 「あなた達……警察ですか。一体何の用ですか? 」 言い方は丁寧でも、顔が私達を警戒している。 「この同好会に所属している木村 龍二さんについて、お話を伺いたくて来ました」 私は、早朝に起きた事件を説明した。 「……まさかあいつが……。で、俺に一体何を聞きたいんですか? 」 「この同好会のメンバーで、何処か出かける予定はありませんか?例えば……白霊山に出かけたりとか? 」 その山の名前を聞いた途端、彼は顔に冷や汗をかいていた。 どうやら図星らしい……
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