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そこには、高校生四人が集まっていた。
その光景を見ていた私達は、自分達が惨めに思えてきて、その場を立ち去ろうとした。
その時、後ろから声がした。
「お~い、そこの二人」
少し低い声で、呼ぶ声がした。
私はそんなのを全く気にしないで、歩きだそうとした。
「お~い、そこの双子」
双子と言われ、私達は振り返った。
そこにいた男の高校生は確かに、私達を見ていた。
「どうしたんだよ、そんなにそわそわして。何か探してるのか?」
その人は、私達の目を見て、確かに話し掛けていた。
彼には確実に、私達の姿が見えている。
私が話し掛けようとした時、彼の後ろに誰か立っていて、思いっきり膝に膝を当てて彼の身体のバランスを崩した。
いわゆる、膝カックンだ。
仕掛けた人は全速力で走って逃げた。
その後を彼が必死に追いかけて行った。
「お姉ちゃん……今のって……」
妹は、今起きたことに驚きを隠せないでいた。
「こんなこと……たまにあるわよ……」
確かに簡単に起きることじゃない。
でも、私達の姿を見ることが出来る人なんて決して少なくないんだから。
しばらくしてから、歩道橋を私達はまた歩きだした。
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