真実へ…

26/30
223人が本棚に入れています
本棚に追加
/158ページ
「信悟……」 晃の後ろにいた渚紗が、俺の顔をただじっと見て、俺の名前を呟いた。 その顔には元気がなく、声にも元気がなかった。 いつものあの元気溌剌の姿じゃなかった。 「何やってるんだ? こんな所で」 晃が、問いただすように聞いてきた。 晃も、いつもの姿じゃなかった。 しばらく俺は黙っていた。 知らぬ間に皆から目をそらしていた。 「目……そらすなよ。こっちは真剣に聞いてるんだ」 目をそらした俺の姿を見た晃が言ってきた。 表情、声は怒ってなかったが、その言葉は俺の胸に突き刺さった。 「…とりあえず、場所変えよ? 」 玲もいた。 俺に気を使った玲が、晃に言った。 「……そうだな。ここじゃ話しづらいしな」 全員納得で、俺達は公園に移動することにした。
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!