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「信悟……」
晃の後ろにいた渚紗が、俺の顔をただじっと見て、俺の名前を呟いた。
その顔には元気がなく、声にも元気がなかった。
いつものあの元気溌剌の姿じゃなかった。
「何やってるんだ? こんな所で」
晃が、問いただすように聞いてきた。
晃も、いつもの姿じゃなかった。
しばらく俺は黙っていた。
知らぬ間に皆から目をそらしていた。
「目……そらすなよ。こっちは真剣に聞いてるんだ」
目をそらした俺の姿を見た晃が言ってきた。
表情、声は怒ってなかったが、その言葉は俺の胸に突き刺さった。
「…とりあえず、場所変えよ? 」
玲もいた。
俺に気を使った玲が、晃に言った。
「……そうだな。ここじゃ話しづらいしな」
全員納得で、俺達は公園に移動することにした。
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