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「ありがとう、皆」
俺は、頭の中に溜まった不安を振り払い、皆に面と向き合った。
「いいってことよ」
渚紗は胸を張って、堂々と俺に言った。
「困ったときはお互い様だろ」
晃の表情に少しだけ、笑顔がこぼれた。
「これからは、皆で頑張ろう」
玲が優しくささやいた。
俺達はお互いの手の平を、お互いの手の甲に乗せた。
よく運動部が一致団結するときに、やっている姿と全く同じだ。
「皆、今まで言わなくてごめん。これからは、一緒に……一緒にやろうぜ!! 」
俺の声の後に、皆が掛け声をだした。
皆と出会えて良かった。
今、改めてそれを実感した。
俺のために、皆必死になってくれている。
皆となら、頑張れそうだ……。
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