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「お前等幽霊なんだから、事件のことに関して少しは知ってるんじゃないのか? 」
俺は幽霊じゃないからよく知らないけど、少なくとも俺よりかは身体の自由がきくはずだ。
それを言った途端、二人はずっと黙っていた。
「あっ、ごめん……」
「私達も、調べたいよ…。でも、あの宿舎には除霊の札が貼ってあるし…」
俺が謝るよりも先に、るいが話してきた。
「だからといって、外で待ち構えていても誰も出てこないんだよ」
誰も出てこない……?
あれ? 今までの被害者は全て外で発見されてるぞ。
それなのに、誰も外に出て来てないって、どういうことだ?
「信じられないかもしれないけど、本当のことなのよ」
ゆいも言っているのだから、そうなんだろうな。
「それにしても、幽霊って札とかには弱いんだな」
「まあね。除霊とかされると私達の体力は一気に削られるの。だからあの宿舎では、私達は動けないに等しいのよ」
幽霊ってのも大変なんだな……。
「まぁ、あなたも幽霊になればこの苦痛は分かるわ」
ゆいが、にやついていた。
「それは、冗談でも遠慮します」
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