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「まぁ、あんた等の世界じゃあ上層部に逆らえばすぐ首が飛ぶからね~」
彼はそう言うと、首に自分の親指を突き付けた。
「我々も、必死なんだよ」
少し怒りが治まったのか、先輩がゆっくり話した。
「あんた等の立場を理解出来ないわけじゃない。でも、そんないい加減な答で納得しない奴だっているんだぞ」
先輩を含め、私達はただ黙って彼の話を聞いていた。
「目の前にある答だけが、本当の答なのか」
そう言い残すと、彼は勝手に席を立ち、取り調べ室を後にした。
今にして思えば、彼は警察以上に警察らしかったかもしれない。
窓から外を見ると、大きな月が輝いていた。
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