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去年の秋の始め、やっと夜の風が肌寒くなった頃、邦彦と別れた。
邦彦とは高校からの付き合い。私の志望大学は別の大学だったのだけど、邦彦が絶対離れたくないといってものすごくもめて、結局私が志望校を変更した。
その大学でやりたいことがあった。建築家をめざしている私にはぴったりの大学だったのに。
邦彦は邦彦で今の大学でやりたいことがあって、どうしても譲れなくって。
私はそんな真っすぐな邦彦を愛した。だから、合わせたのだ。
なのに
邦彦は第一志望の学科には入れなかった。
最初は転科するといっていたのに、彼はあきらめた。あきらめたというか、忘れた。大学生活が楽しすぎて。夢を忘れたて遊びほうけた。
悲しかった。夢を追い掛けてほしかった。私が大学を変更したのはなんのため?邦彦を遊ばせるためじゃないんだよ?
愛していたのに。心から。でも悲しみは消えなかった。
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